1971 Ch. Latour

なぜこんなものが入手できたのかは置いておくとして。


長命で有名な Ch. Latour ではあっても、保管状態がテキトーだったので、正直期待していなかった。
が、なんといっても 40年以上前のワイン。
たとえ酢であっても、経験値のために飲みたい物好きがいるに違いない。


というわけで、心当たりの人物(=物好き)に電話してみた。


「あ、お久しぶりです。突然ですが、1971 Ch. Latourに興味ありませんか?」
「…非常に興味津々です。抜栓するときは是非呼んでください」
「それが、外観は良好なのですが、保管の環境が今一つでして。酢でもいいから飲みたい方に心当たりありません?」


結局、電話の相手に下駄(段取り&ワイン)を預けることにした。


さて、当日。
ワイン会は持ち寄りのつまみと保険(酢になっていたとき)の酒で万端に準備されていた。
デカンターもばっちり。さすが宴会長。


抜栓は提供者の私。40年もののコルクなど抜いたことがないので、コルク破壊。
残ったコルクの取り出しは宴会長にお任せした。
デカンターにワインを移す。滓が入らないようにボトルのネックの箇所を下から照らす。
知識として知ってたけど、実際にやったのは初めて。


そこまでしなければならなかったワインは…
凄かった。
元のワインが良い上に、年月を経ないとこの味にならない、この香りにならない。
骨格がしっかりして、堂々として、威厳があって。


ニューワールドワインも良いのだけれど、1970年代はまだ品質が今ほどではなく、
40年もののニューワールドワインの評価が定まるころには私の味覚が衰えているでしょう。
多分、一生に一度、これが最初で最後。


最後に。
宴会長殿、細やかな気配りと完璧な段取りをありがとうございます。m(_ _)m